Hamacho Liberal Arts no.8 / Hiroko Edani

風景の見方 ー京都に息づく関係性を読み解くー

惠谷浩子(奈良文化財研究所文化遺産部主任研究員)/ Hiroko Edani (Nara National Research Institute for Cultural Properties)

January 15 (Sat), 2022

普段何気なく目にする風景には、実はたくさんの情報が重なり合っている。例えば地形の成り立ち、水やの流れや植生、土地を切り拓き住みこなしてきた人々の営み、そこで育まれてきた文化や習慣。それらは時間的なものであり、空間的なものだ。そうした風景の中に息づいているものを、手繰り寄せ、つなぎ合わせ、決してバラバラにはできないその場所固有の全体として記述し、未来につなげていくこと。それが惠谷浩子さんの仕事だ。風景の中を歩き、場に流れる空気を吸い、人々の話を聞き、文献を 調べる。その眼差しの中には、場所に対する愛と、純粋な好奇心があるように感じられる。京都を対象に、惠谷さんがどのように風景を見ているかをともに読み解き、話し合いたいと思う。

惠谷浩子〈エダニヒロコ〉

1983 年広島県生まれ。東京農業大学大学院卒業。専門は造園学。現在、奈良文化 研究所文化遺産 主任研究員。京都や宇治、四万十川流域をはじめとする全国各地の文化的景観の調査研究に携わり、土地の 然条件、地域の来歴と現在から、それぞれの地域らしさと持続のあり方を探求している。著書に『地域のみかた―文化的景観学のすすめ』 共著 、『「京都の文化的風景 」 査報告書』 共著 、『遺跡学の宇宙―戦後黎明期を築いた13 人の記録』 共著 など。


Hamacho Liberal Artsとは

建築事務所o+h主宰の浜町LAB1階にて不定期で行っている勉強会。様々なトピックに対して、創造的な方法で向き合っている世界中のアーティスト、デザイナー、建築家、編集者、キュレーターなどの作り手とつながり、彼らのプロジェクトとそれに至るまでのプロセスを共有する。普段、専門分野で分断されがちな視野を広げることで、社会と創造的に関わる姿勢について様々な立場の人々が何度も学び直すことができる場所を目指している。

Hamacho Liberal Arts is a study group taken place at Hamacho LAB. 1F, Tokyo, initiated by architect o+h. By having the opportunity to talk with people who create the values, such as artist, designer, architects, editor, curator etc., and share the process of their project, it aim to broaden the view that is otherwise being limited by their specialities and become an opportunity to unlearn and relearn for people in all levels of social practice.